歴史広場

ソフトクリームの起源は、
なんと4000年も前の中国なんです。
日本に上陸したのはいつ?

紀元前2000年頃
ソフトクリームのルーツは、なんと4000年も昔の中国だった!

BC2000年頃から中国では家畜の乳しぼりが始まり、ミルクはとても貴重な飲み物でした。ミルクを長時間煮てから雪で冷やしてやわらかい糊状にした氷菓(現在のシャーベットに近い「アイスミルク」)は、大金持ちのシンボルでした。

13世紀頃
シルクロードを通って、中国からイタリアへ

中国で長く伝えられていたアイスミルクをイタリアへ伝えたのはマルコ・ポーロだったという説があります。
1295年、マルコ・ポーロは25年間におよぶアジア横断の旅をおえてヴェネツィアに戻り、「東方見聞録」を著しますが、その際、北京で出会ったアイスミルクの製法をイタリアに持ち帰ります。これによって、氷菓の製法がヨーロッパに広まったといわれています。

16世紀頃
「冷やす技術」の進歩でシャーベットづくりが発展

16世紀の中頃、イタリアの大学教授マルク・アントニウス・ジマラが、硝石(黒色火薬の原料)が水に溶ける時に起こる吸熱作用で温度が下がることを発見。イタリアではお金持ちがワインを冷やすためなどにこれを利用しました。さらに、氷に硝石をまぜて、物を一気に冷やす技術が開発され、飲み物を凍らせることに成功。これにより、天然の雪や氷を原料としないシャーベットが作れるようになったのです。

1686年
現在のアイスクリームの原型が生まれました

1686年、イタリアのシチリア島出身の菓子職人フランソワ・プロコープが、パリに「カフェ・プロコープ」を開店。1720年には、今日のアイスクリームの原型ともいえるホイップクリームを凍らせた「グラス・ア・ラ・シャンティ」や、卵を用いた「フロマージュ・グラス」などをつくり出し、乳成分たっぷりの新しいタイプのアイスクリームをもたらしました。

1846年
アイスクリームの歴史を変えた大発見

初期のアイスクリームは、庶民には手の届かない贅沢品でした。ところが1846年、アメリカの主婦ナンシー・ジョンソンが、樽の中に氷と塩を入れて冷却する「手回し式アイスクリームフリーザー」を発明。これによって一般の家庭でもアイスクリームが作れるようになったのです。
ただし、今日のアイスクリームほどしっかりと凍らせることは技術的に無理で、むしろソフトクリームに近いやわらかな食感のものでした。

1931年
ついに登場したソフトクリームフリーザー!

19世紀になって冷凍技術が急速に進歩し、アイスクリームは大規模な工場で作られ広い地域で販売されるようになりました。しかし、このアイスクリームはマイナス20℃で固く凍らせ、マイナス5℃を保って販売しなくてはいけなかったために、フレーバーなどが損なわれていました。1931年アメリカで、昔のようにフリーザーから直接、作りたてのアイスクリームを手渡すことができないだろうか、と考え出されたのが「オートマティック・ソフトサーブマシン」でした。これは掃除機のモーターを流用し、アイスマシンとフリーザーを1つの箱におさめた機械で、このマシンの誕生がすなわち現在のソフトクリームの誕生といえます。

1951年(昭和26年)
ソフトクリームが日本に上陸!

ソフトクリームが日本に登場したのは1951年。明治神宮で開かれた進駐軍主催のカーニバルの模擬店で、初めてコーンカップに盛られたソフトクリームが売られました。一般の日本人が、最初にソフトクリームを食べ、フリーザーの運転を見たのがこの時だったのです。
有名百貨店などの食堂・喫茶店などで次々とソフトクリームが販売され、わが国のソフトクリーム発展の土台となりました。

1954年~1956年頃(昭和29年~31年頃)
ソフトクリームの第一次ブーム到来

復興期の日本に初めて登場したソフトクリームは、またたく間に人々の心をつかみました。朝鮮動乱の特需景気もあって街には飲食店が増え、有力店はいち早くソフトクリームに着目し、米軍払い下げのフリーザーを買い求めました。まもなく、デパートの食堂や有名レストランでも販売されるようになり、国産フリーザーの開発や、粉状・液状ミックス(クリームの原料)の販売とともに1954年以降、第一次ブームに火がつきました。

1970年(昭和45年)
日本全国に広がった第二次ブーム

1970年に大阪で開かれた日本万国博には、6,000万人もの人がつめかけ、超ビッグなイベントとなりました。この会場にも200台のソフトクリームフリーザーが設置され、ソフトクリームを食べながらパビリオンをめぐる人たちの姿が大いに目を引きました。そして当時次々と建ち始めたスーパーマーケットや駅ビル、ショッピングセンターがソフトクリームの新しいマーケットとなり日本全国に広がりました。

1996年~(平成8年)
第三次ソフトクリームブーム到来

本物志向商品の拡大とともにコンビニエンスストアでの本格的取り扱いも始まり、これと時を同じくして北海道の牧場自家製ソフトクリームブームが話題となり、また地方の特産物を取り入れたご当地ソフトが次々と登場、有名レストランチェーンのソフトクリームが話題となるなど、テレビ、雑誌などにもたびたび取り上げられ、本格的ブームが再び到来しました。

日本ソフトクリーム協議会の発足

1990年(平成2年)ソフトクリームの品質向上と共に消費者の認知を高め、売上の拡大を図るべくソフトミックスおよびフリーザーメーカーが集まり日本ソフトクリーム協議会が誕生しました。昭和26年7月3日に明治神宮外苑で開かれた進駐軍主催のカーニバルで日本に初めてソフトクリームが登場したことを記念して、協議会は7月3日を「ソフトクリームの日」と制定。翌1991年(平成3年)には、ソフトクリームが日本に上陸40周年記念イベントとして「ソフトクリームイメージソングコンテスト」が東京渋谷で開催されました。

参考文献:
「アイスクリーム図鑑」社団法人日本アイスクリーム協会
「日世の50年史」日世株式会社

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